何かの記念日やお祝い事の際にプレゼントをする風習は昔からあります。新社屋の落成式であれば胡蝶蘭、個人宅の新築祝いには観葉植物、金婚式祝いなら夫婦茶碗といったように、さまざまなイベントに適した定番の品物があります。ただ品物は必ずしも相手に喜ばれるとは限らないことがあります。
そうした問題をクリアするプレゼントとして、現在では現金と同じ価値があるギフト券が人気です。一般的には商品券と呼ばれることもあります。商品券は贈られる側にとっては自分たちが欲しいもの、必要なものを手に入れることができるので非常にありがたい贈り物ですが、逆に特別感があるのは地域限定のものです。
その地域、その場所でしか使えないものだからこそ特別なのです。神戸などの港をクルージングしながらの食事券や有名なランドマークホテルのスイートルーム宿泊券などは、その地域でも特にブランド力が高いこと自体に価値があり、受け取る側の喜びを倍加させるのです。
百貨店用からネット系まで多様な商品券
だれでもすぐに思い浮かべるギフト券は百貨店専用の券です。とりわけ地方都市では地域に根付いた百貨店の商品券は最も喜ばれるものの一つです。百貨店の包装紙で丁寧に包まれた専用封筒にラッピングをほどこしたものは、その地域に住む人にとっては特別感や高級感があり、金額以上の価値を感じることもあります。
地域限定の特別な価値があるという意味では神戸や小樽でクルーズを楽しみながら食事できる特別な券は喜ばれます。利便性を重要視するのならば近くのコンビニやガソリンスタンドなど、いろいろな場所で利用できるカードがよいでしょう。
若い人向けであれば、インターネットからダウンロードできるギフトカードも便利です。人気のゲームができたり、スマホやタブレットのアプリ内課金用にも使うことができるタイプのもので、いわばデジタル商品券といえます。
いろいろな券を贈る際に留意すべきこと
ギフト券を贈る際には配慮しなければならないことがあります。都会に住んでいる人にはぴんとこないかもしれませんが、相手がどこに住んでいるかは重要な判断材料です。百貨店がない町に住んでいる人が百貨店専用の商品券を贈られても、使うために百貨店がある都市部まで足を延ばすのは大変です。山間部の僻地や離島にはコンビニがないところもあります。パソコンやインターネットが苦手な高齢者にダウンロード方式のデジタル商品券を贈っても、もらう側を困惑させるだけということもあり得ます。
神戸港や博多港のクルーズディナーチケットなどは、そこに行くこと自体が楽しいことなので良いのですが、買い物系の商品券は居住地への配慮が必要です。
また商品券だけを送っても相手の心に響かないこともあります。お祝いの言葉と、物を贈るよりも商品券で本当に必要なものを買ってほしいという気持ちを込めたメッセージカードを添える気遣いも大切です。